日本の介護保険制度

日本の『介護保険』は、介護が必要になった高齢者を社会全体で支える制度。制度の運営主体(保険者)は、全国の市町村と東京23区(以下市区町村)で、保険料と税金で運営されている。

海外居住者が日本に帰国した場合、介護保険料を過去にさかのぼって支払うことなく介護保険の恩恵に浴することができる。

目次

1. 介護保険の加入は40歳から

2.介護サービスを受けられる被保険者について

3.申請方法と認定プロセス

4.介護保険で受けられるサービス

5.在留資格のある外国人の介護保険加入について

1. 介護保険の加入は40歳から

40歳になるとすべての日本居住者に介護保険への加入が義務付けられ、保険料を支払うことになる。40歳から64歳までの被保険者(第2号保険者)は、加入している健康保険と一緒に徴収される。

海外から帰国した場合、住所のある自治体に住民票を移動し、手続き後に保険費用の支払いが始まる。海外から帰国した初年は、前年に所得がないため低所得者扱いとなり、保険料は安くなる。2年目以降は前年の所得に応じて保険料が変わる。

保険料の決め方は各健康保険組合によって違いがある。健康保険と同じように被扶養配偶者は収める必要はない。

国民健康保険に加入している方の場合は、所得割と均等割、平等割、資産割の4つを自治体の財政により独自に組み合わせて計算され、介護保険料率も異なる。所得割は世帯ごとに被保険者の前年の所得に応じて算出される。

65歳以上の被保険者(第1号保険者)は、原則として年金からの天引きで市区町村が徴収する。介護設備の整備状況や要介護者の人数など、自治体によって状況はさまざまなことから、保険料は自治体ごとに金額が違う。

2.介護サービスを受けられる被保険者について

保険料の支払い義務は第1号、第2号被保険者どちらにもあるが、サービスの対象者 (受給者) は、原則として65歳以上の第1号被保険者のみである。居住地の市町村に申請後、要介護認定または要支援認定を受けたときに介護サービスを受けることができる。

(※第2号被保険者は老化に起因する疾病(16の特定疾病)により介護認定を受けた場合に限りサービスの対象となる。)

3.申請方法と認定プロセス

申請方法

介護サービスの利用を希望する場合は、市区町村の窓口で「要介護(要支援)認定」の申請をする(地域包括支援センターなどで手続きを代行している自治体もある)。

申請の際、第1号被保険者は「介護保険の被保険者証」、第2号被保険者は、「健康保険の被保険者証」が必要。

要介護認定の調査、判定

要介護認定とは、介護保険サービスの利用希望者に対して「どのような介護が、どの程度必要か」を自治体が判定するもの。役所から任命された認定調査員が自宅に来て本人に日常生活の状況を聞き、身体機能のチェックを行う。認定結果が出るまでに1~2か月程度を要する。

▪ 申請(市区町村の役所)⇒ 認定調査⇒ 結果通知 (1~2か月)

▪ 訪問調査、主治医の意見書を基にして介護認定審査会で判定される。

要支援認定が出た場合は、地域包括支援センターに相談、要介護認定が出た場合は、居宅介護支援事業所に相談する。

介護保険認定受給の流れ.pdf

4.介護保険で受けられるサービス

※利用日数については施設によって異なり、これらはおよその目安。

◆福祉用具購入費の支給 1年間10万円まで

◆住宅改修費の支給  原則として20万円まで


同じ月に利用した介護サービスの負担額が高額になったとき、一定額を超えた分が高額介護サービス費として、後から払い戻される。

医療費が高額となった世帯に介護保険の利用者がいて、医療費と介護サービス費の自己負担額が高額になった場合、決められた限度額を超えた分が後から払い戻される。

年の限度額は年齢枠、所得額、同じ世帯に複数の利用者がいるといった条件によって変更するため、居住地の市役所の担当窓口にて相談。

※介護保険の情報は2021年11月時のもの



5. 在留資格のある外国人の介護保険加入について

加入条件:

適法に3か月を超えて在留する40歳以上の外国人(中長期在留者等)は、住民基本台帳の対象となり、介護保険の被保険者となる。日本人と同様の介護保険サービスを受けることができるが、介護保険料も同じように納めなければならない。

支払い方法:

40歳以上65歳未満の場合は『介護保険第2号被保険者』となり、医療分保険料・後期高齢者支援金分保険料に介護保険料をあわせて1つの国民健康保険料として納める。65歳以上の外国人の方は年金がない場合が多く、その場合は市町村から送られてくる納付書で介護保険料を支払う。

サービスを利用できる方

  • 65歳以上で要介護・要支援と認定された方

  • 40歳から64歳までの方で特定の疾病により要介護・要支援と認定された方

介護保険の利用料

原則としてかかった費用の1割が本人負担。2018年からは所得によっては自己負担が2割、3割となる場合もある。

※介護保険の情報は2021年11月時のもの