保護命令とは

Restraining Order(保護命令)とは:

血縁や親しい関係にある人からの暴力や嫌がらせから身を守る方法です。

保護命令をとるべきか迷うときは次の点を考えることができます。加害者が保護命令を破る可能性があるか。その時は自分は危険にさらされると思うか。そこまでの危険はないと思うか。

MA州で保護命令は通称「209A」と言われ2つの基本的な種類があります。一つは「no contact order(接近禁止令)」で連絡を取らないように加害者に命令するもので、あなたの近くの決められた距離以内に入らないように、そしてあなたの家や職場に来ないように命ずるものです。二つ目は「no abuse order」と言われ、あなたに連絡をとっても良いけれども嫌がらせをしないようにと加害者に命じるものです。多くの場合、保護命令(Restraining orders)はその双方、連絡を取らない・嫌がらせをしないという命令からなっています。

保護命令は危害を及ぼす加害者から安全を得るひとつの方法です。どのように保護命令を取るのか、取るかどうかをどのように決めるかなど一般的なQ&Aについて下記に説明します。保護命令は自身の安全を考える上では多くの方策の一つです。保護命令以外の安全対策も考えてそれを遵守することも大切です。

保護命令を取ることのできる二者の関係は?

保護命令209Aは現在あるいは過去に以下の関係であった方達のみに適用されます。

―同じ家に住んでいる(た)

―ある一定の期間つきあっている(た)

―血縁や結婚による血縁関係がある

―子供がいる

ー婚約あるいは結婚している(た)

(各州の法律で定義される、DVであると認められる関係について参照のこと)

保護命令をどのように取得するか?

保護命令は無料で、弁護士を雇う必要はありません。法律的な擁護者(アドボケート)が209Aの取得をサポートしてくれます。MA州の地方弁護士オフィス(District Attorney’s Office)で無料で支援を得ることができます。GMDVP Client Servicesにお尋ねください。

保護命令の取り方:

1.    自分の管轄の裁判所へ行き、保護命令の申請場所を尋ね、宣誓供述書(an affidavit requesting the order)を提出します。地元の管轄裁判所が通りによっても違うので、事前に連絡して行こうと考えている裁判所が該当しているか確かめます。

2.    その日のうちに裁判官の前に出て、安全がなぜ脅かされていると思うかという質問に対して答える必要があります。裁判所にできるだけ多くの加害者の情報を持っていきます:住所・職場の住所・家族の住所。もしわかれば加害者のSSNの番号もあるとよいです。医師や警察署からの報告書などできるだけ多くのサポート書類を持っていくのが重要ですが、一方で一刻も早く裁判所へ行くことが必要です。裁判官も最終のできごとが2週間以上前だとすると【なぜこんなに時間があいてから来たのか】と尋ねられ、緊急性がなかったと思われます。その場には通訳がいないので、あらかじめ英語で事情を書面にしておくことは助けになります。ここで裁判官は10日の仮の保護命令を出すことができ、出たらコピーを取ってどこへ行くときにも持って歩きます。コピーを多く取って友だちの家や職場、自動車の中など色々なところにおいておくとよいでしょう。またできれば加害者の写真を持って加害者が接近してきたときに警察に見せることができると助かります。

3.    裁判所はその後、警察に保護命令が発行されたことを伝え、警察が加害者に連絡しますが、できれば自身でコピーを警察署に持っていくこともできます。警察が加害者に命令について連絡しますので、くれぐれも自分で加害者に通告はしないでください。

4.    一緒に住んでいたところの私物を取り除くように「a vacate order(退去命令)」が出た場合は、自分でしないようにご注意ください。警察が加害者と一緒に調整し、いつあなたの家で私物を取り除くかを手配します。決められた時間に警察が同行し私物を引き受けます。その日程はあなたに連絡されますのでその場にいても、いなくても大丈夫です。

5.    209Aの仮の書類が出て約10日後、再度裁判所に呼び出しがかかります。加害者側が自分の言い分を表明します。彼あるいは彼女の弁護士も同席するかもしれません。

このヒアリングはあなたにとって心情的に難しいものとなるかもしれません。このプロセスを通るのを支援し助けてくれる擁護者(アドボケート)に一緒にいてもらうことが助けになるかもしれません。またあなたの弁護士を連れてくることも可能です。このヒアリングであなたはあなた側の話を伝える時間があります。このときに裁判官は209A保護命令を最長一年まで延ばす可能性があります。また同時に状況に応じて下記に述べるような裁判所命令を出すこともあります。

6.    週末や休日に緊急の保護命令を取るときは警察に電話します。警察は緊急対応の裁判官に連絡します。緊急保護命令は裁判所が開く翌日まで有効となります。

裁判官は保護命令を出すかどうか、どのように決定するのですか?

法の下、裁判官は以下のことを見極める必要があります:

•    その関係は保護命令を定めている州法で判定される関係か

•    被害者が嫌がらせの被害をすぐに受けそうな高い可能性があるか(a substantial likelihood of immediate danger of abuse)

•    嫌がらせが以下の一つかそれ以上のタイプに該当するか:

o    身体的な危害を与えようとしたか

o    身体的な危害を与えたか

o    深刻な身体的な危害の恐怖を与えたか

o    力で無理やりに性的な関係を行ったか、その行動をすると威嚇・脅したか

保護命令のもとになっている法律はそれ以外の嫌がらせ、-精神的、アイデンティティ、経済的なものを含みません。そうした嫌がらせは他の法律によって禁じられます(犯罪的な行動と嫌がらせ(Criminal Behavior and Abuse参照)

保護命令はあなたを守る以上のことができます:

以下の項目を基本的な命令に追加として加えることができます。

•    接近禁止令―あなたの加害者はあなたの近くに来てあなたに嫌がらせをすることはできません。MA州では接近禁止令を出された人は銃を持つことも銃のライセンスを持つこともできません。

•    退去命令―加害者は一緒に住んでいた住居から退去しなければなりません。上記に記した通り警察がこの命令を加害者に届け、日程を設定後、付き添って退去荷物を出すのを見届けます。

•    親権命令―加害者とあなたが子どもの共同親権者である場合、あなたは一時的に子どもの全親権を受け取るかもしれません。

•    養育費命令―子どもの共同親権者であれば養育費を一時的に出すことを求められるかもしれません。

•    支払い命令―嫌がらせによって失った給与や医療費、その他のコストや損害をカバーする費用を受け取ることができるかもしれません。

保護命令の違反

命令の違反は犯罪であり以下のようなペナルティをもたらす可能性があります。

•   一時的な 逮捕・収監

•    罪が課せられた場合、軽あるいは重犯罪。収監あるいは罰金

•    刑期の延長、DV犯罪者プログラムの取得

保護命令はあなたと加害者が裁判所にいるときも有効です。もし接近禁止令が出ていれば、加害者はあなたと裁判所で会っても話すことも、身振りをすることも、友達や家族を通じて話すことも、どのような形も禁じられています。

もし、命令が違反されたら:

•    警察に連絡し違反を報告

•    緊急の場合は911

•    裁判所で何か起こったら警備員に伝える

•    擁護者に伝える

•    すべての記録をとる


支援が必要な場合はJB Lineにご連絡ください。