Skilled Nursing Facility

(スキルド ナーシング ファシリティ:SNF)

通常スニッフという呼び名で一般的にはNursing Homeとも呼ばれる。SNFとは、24時間の介護と医療看護が保障されている施設で、病院以外の居住施設としては最高レベルの医療看護ケアを提供する。

 

SNFは、以下の専門有資格者で構成されている。

 ●  Registered Nurse (RN)(レジスタード ナース: 正看護師)

 ●  Licensed Practical Nurse (LPN)(ライセンスド プラクティカル ナース: 准看護師)

 ●  Physical Therapist(PT)(フィジカル セラピスト:理学療法士)

 ●  Occupational Therapist(OT)(オキュペーショナル セラピスト:作業療法士)

 ●  Speech Language Pathologist(SLP)(スピーチランゲージ パソロジスト:言語療法士)

 ●  Dietitian(認定栄養士)

 ●  Social Worker (社会福祉士)

 ●  Activity Director(アクティビィティー ディレクター)

 

SNFでは病院と違って医師は常駐していない。SNFと契約している医師ら (nurse practitioner, physician assistantを含む)が定期的にSNFの患者を訪問する。救急を要する容態の変化や症状が出た時は、病院の救急室に搬送される。

 

SNFの中には介助と医療看護を受けるために転居する長期滞在(LTC:以下の説明を参照)と、機能回復のためにリハビリを目的とした短期滞在(STR:以下の説明を参照)とがある。SNF施設内では、STR棟とLTC棟は別の階であったり、建物内で分けられている場合が多い。

 

 

Long Term Care (LTC:長期滞在ケア):

24時間のケアが必要だが、自宅での介護者を確保できない高齢者や、Assisted Living Facilityでの介護限度を超えている高齢者に、安全な居住環境と高度な医療看護を提供する。

 

生活の質向上のためのアクティビティや娯楽 (クラフト作成、映画、ビンゴイベント等)サービスも提供する。看護や介助において、いかなる状況にも対応できるため、終の棲家となり得る。

 

LTCでは健康保険は使えないため、自費(Long Term Care保険など)での支払いとなる。資産を使いきった後にMassHealthの長期療養保険に切り替えられることもある。


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Short Term Rehabilitation (STR:短期滞在リハビリテーション):

病気や怪我による入院後、生活機能が衰えて退院後の帰宅が不可能と判断された患者や高齢者が、自宅や居住施設に戻るための機能回復を目的とした、期間限定の移行期ケア。


Medicareを含む健康保険によって期間限定で支払われる。入院先の病院のソーシャルワーカーから受け入れ可能なSNFを紹介されるが、加入している健康保険により選択肢が限られることが多い。

 

STRは医師の処方で行われるため、一般の健康保険、Medicare, MassHealth, VA(Veterans Affairs=退役軍人向け保険)でほとんどが支払われるが、Medicareではある日数を超えるとCo-Pay(一部自己負担金)が発生することがあるなど、保険によって確認が必要。

 

 

 

病院からSNFを経た後の移行例:

 

病院→SNF (STR)→自宅あるいは元の居住施設に戻る: 

短期滞在リハビリテーションで、生活機能を十分に回復した後、自宅あるいは元の居住施設に戻る。

 

病院→SNF (STR)→Assisted Living/Memory Careなどに入居:

短期滞在リハビリテーションで、生活機能を十分に回復できず自宅に戻ることが不可能なため、Assisted Living FacilityやMemory Careなどの介護施設に入居する。


病院→SNF (STR)→SNF (LTC)入居:

短期滞在リハビリテーションで、生活機能を十分に回復できず自宅に戻ることが不可能で、

Assisted Living Facilityでの介助限度を超えている場合、同じSNFのLTC棟あるいは別のSNF(LTC)へ入居。



 

SNFの探し方:

MA州のサイトにある”Choosing a Nursing Home” のガイドステップを参照し、希望する地域の施設を市/町ごとに探す。MA州が毎年行う施設の調査結果から該当施設の詳細情報を得られる。https://www.mass.gov/guides/choosing-a-nursing-home

 

※適切な施設を見つけるためには知識や情報を必要とするため、宜しければJB Lineにご連絡ください。ソーシャルワーカーがお手伝いさせて頂きます。     

 

SNFの施設選びの参考:

 ●  施設を見学してみる

 ●  施設を見学した際に、その施設の居住者や家族から体験談を聞くためのコーディネートを施設にしてもらう

 ●  当該施設の評価を知りたい場合は、MA州のOmbudsman program(オンブズマン制度:監察制度)を参照

https://www.mass.gov/service-details/ombudsman-programs

 

※以下のリンクで当該地域のSNFを検索したり("Nursing Home”を選択)、複数のSNFの情報を比較することができる。「過去3年間の立入検査状況」、「スタッフの状況」、「居住者が受けるケアの質」の3項目それぞれの評価とその総合評価を5段階評価の星で表示している。

https://www.medicare.gov/care-compare/

コラム

Assisted Living, Memory Unit, Skilled Nursing Facilityには契約をした専門医が定期的に訪れることが多いです。一般的なのが足専門医(Podiatrist )、眼科医、歯医者です。

足の専門医は糖尿のむくみや足全般のケアに合わせ、足の爪も切ります。眼科医も歯科医も複雑な治療はしませんが定期検診を行います。訪問医がいるかを施設で確認し、契約について尋ねてみましょう。

施設での洗濯衣類の取り扱い

高齢者施設には、居住者の衣類やリネンを洗濯するランドリーサービスがあるが、衣類の紛失がたびたび報告されている。このため個々の衣類(靴下片方ずつでも)の記名は必須であり、家族が持ち込んだ衣類はマーカーで記名する。白や明るい色生地だと名前がわかりやすい。また、施設のスタッフに依頼して洗濯用の記名ラベルをハウスキーピング担当者につけてもらうこともある。

紛失を避けるために、家族が衣類等を持ち帰って洗濯することも可能。スタッフにその旨を伝えるとクローゼットのドア等に"Family does laundry"と言うサインを施設側がつけてくれるので、間違ってランドリーに持って行かれることはない。