埋葬・火葬


埋葬 Burial

マサチューセッツ州では、一般的な葬送手段として、火葬または承認された墓地への埋葬という二つの選択肢があります。


埋葬前の遺体保管期間についての決まりはありません。許可が取れ、墓地の準備ができれば、埋葬可能となります。埋葬は地元の保健局によって承認を受けた、自治体所有または民間の墓地で行わなければなりません。


墓地では埋葬場所があらかじめ掘られており、その上に棺を移して、埋葬式が執り行われます。土に埋める作業に立ち会わない遺族もあれば、立ち合いを希望する遺族もあります。ほとんどの墓地では、職員以外の者が墓を掘ったり埋めたりすることは認められていません。埋葬の費用は乳児、子供、大人で違ってきます。

 

火葬 Cremation

最近、アメリカでも火葬を希望する人が増加してきています。葬儀を火葬の前でも後でも行える、遺骨があってもなくても告別式ができる、火葬後の遺骨の処理方法の選択の広さなども背景にあるようです。

 

直火葬 Direct Cremation

エンバーミングや通夜・葬儀もせずに、死後まもなく火葬する方法。葬儀業者を利用した場合、費用に含まれるものは、書類、基本料金、移送費、火葬用容器と、場合によっては火葬費となります(葬儀社に支払う場合と、火葬場に支払う場合があるため)。

 

Declaration of Intent Regarding Cremation

マサチューセッツ州法では、火葬について、故人の書面による希望が優先されます。この書類は、墓地で入手でき、故人が亡くなる前に記入して公正証書としておくのがベストです。火葬場で、この書類か、それに代わるものが提示できない場合は、近親者の指示に従います。配偶者か、成人の子ども全員の署名が必要なので、葬儀プランの準備の際に書類を用意しておくのがスムーズです。この書類では、近親者ではなくても、故人の火葬を許可する人を指名できます。

 

Order for Cremation or Interment / Cremation Order

墓地あるいは火葬場で用意された書類に、近親者(next-of-kin)が署名し、火葬を依頼/許可します。近親者とは、まず配偶者、いなければ成人の子ども全員です。(遠方からFaxする場合は公証が必要で、原本を郵送します。国外にいる場合は、その国の領事が身分を証明します。)

 

火葬場が監察医による遺体観察を手配し、火葬のための証明書を提供します。死因が伝染病によるものでない限り、死後48時間以内の火葬はできません。遺族は、Medical Examiner – Cremation Fee Formという黄色のコピーを火葬場から遺灰と一緒に受け取ります。後から、マサチューセッツ州あてに監察医による証明書の費用$100の小切手を郵送します。これは火葬費用$250~$350とは別です。

 

火葬は、マサチューセッツ州環境保護局の許可を受けた施設で行われなければなりません。火葬場 (たいていの場合は墓地) には家族が行くことも可能で、場所によっては僧侶を呼んで簡単な儀式もさせてもらえます。キリスト教の場合は、十字架や生花で棺を飾りつけ、神父または牧師が祈りを捧げます。


アメリカでの火葬は、日本の火葬炉よりも火力がかなり高く、骨が残らないレベルまで焼却されます。日本にくらべて時間も長くかかります。また骨壺に納められるように電気的な手段などで粉々に粉砕してしまいますので、遺骨ではなく、遺灰になります。骨を残してほしい場合は、Mostly bones, some bones など希望を伝えておく必要があります。平均的な大人の場合、火葬に2~4時間かかり、遺灰は4~6パウンド残ります。

 火葬の場合は、エンバーミングは必要ありません。故人が医療器具を使用していた場合は、火葬前に業者に知らせておかなければいけません。ペースメーカー、義肢、インプラント、その他の機械・放射性の器具は火葬前に取り外す必要があります。

 

遺骨・遺灰 Ashes

火葬後の灰の処置についての制限はありません。家族の中で分割したり、複数の場所に分けて埋葬や散灰したりもできます。火葬後の遺灰を墓地に埋葬する場合も、埋葬許可を墓地に提出します。2つ目の埋葬許可が必要な場合は、地元当局に連絡します。


1.納骨室に置く:墓地の中などにある納骨室の壁龕に置くことができます。教会によっては、建物内や庭の壁に用意しているところもあります。Columbarium、niche、mausoleumなど


2.墓地区画を購入する:一般の墓地区画や、骨壺専用区画を選択することもできます。墓地によって、1区画に2~3の骨壺を許可するところと、1つしか入れられないところとあります。骨壺保護容器を必要とするところもありますが、基本的には不要です。


3.散灰(陸地):散灰用の区画を用意している墓地もあります。迷惑のかからないところであれば、どこででも撒けますが、土地所有者または当該機関(町有地の場合は自治体、州立公園の場合は保護・レクリエーション局など)から事前に許可を得る必要があります。散灰する場合は、細かい粉末に分解しておかなければなりません。


4.海洋散灰:☞海洋葬の項参照


5.自宅供養:故人に関係した容器などに入れて、自宅に置いておくこともできます。特別仕様の骨壺も購入できます。


6.その他:年々、新しい供養方法が出てきています。遺灰を宝石や弾丸、宇宙ロケット、サンゴ礁、花火にする、など。

 

 遺灰は、郵送もできますし、運搬もできます。FedEx、UPS、DHLなどの運送業者では、骨壺だけなら可能ですが、遺灰の入ったものは取り扱いません。郵便でのみ、国内、国外とも送れます(ただし受け取る国でも取り扱える場合)。包装やラベルに注意が必要なので、葬儀社や郵便局でご確認ください。飛行機に持ち込む場合は、たいていの航空会社で手荷物として預けることも機内に持ち込むことも可能ですが、確認した方がよいでしょう。火葬場から受け取った書類を貼った入れ物をそのまま使用し、X線検査のため、金属を使っていない容器であることが必要です。

 

骨壺 Urn, Cremation Urn

火葬の場合の骨壺は、必ずしも必要ではありません。用意していなければ、簡易の容器に入れてくれます。火葬場により自分で用意したものを持ち込める場合もあります。葬儀業者にお尋ねください。自分で購入する場合は、家の中で飾れる装飾性の高いものから、身に着けるジュエリータイプのものまで、さまざまな種類があります。また、仏壇も、インターネットなどで購入できます。

 

容器/埋葬用外部容器 Containers/Outer Burial Containers

火葬の場合には、棺(Casket)は必要ありませんが、遺体を「適切な容器」に入れるよう定められています。体液が漏れないよう、プラスチックシートを張った硬い容器に入れなければなりません。火葬中に燃えてなくなる丈夫な段ボール製の簡素な容器は、「代替容器Alternative Container」と呼ばれ、火葬場や葬儀社から$250くらいで入手できます。より簡素な素材のものは$100以下であります。火葬前に葬儀や告別式を行う場合、葬儀用の棺を貸しているところもあります。葬儀サービスの選択の際のその他のオプションについては、FEDERAL TRADE COMMISSIONの葬儀規則をご覧ください(www.consumer.ftc.gov/articles/0300-ftc-funeral-rule)。

 

埋葬(土葬)の場合、棺と墓地の区画が必要です。棺は、ひじょうにシンプルで安価なものから、ひじょうに豪華で高価なものまでさまざまです。数百ドルから数千ドルの幅があります。多くの方が葬儀業者から購入しますが、別に購入して持ち込んだり、自分で作成したりしてもよいことになっています。マサチューセッツ州ではレンタルも許可されています。

 

ほとんどの墓地では、地盤沈下を防ぐため、コンクリートの棺保護容器の中に棺を入れるよう決められています。これらは一部の墓地または斎場で購入できます。マサチューセッツではどこでも、たいてい$400~$1,000で設置できます。墓地で購入できれば、より安価です。


Burial Vault(アーチ型の地下貯蔵室タイプ)は、より高価で豪華なGrave linerで、葬儀社で購入できます。棺を保護すると言われていますが、遺体を保護するわけではありません。墓地の条件に合う簡素な保護容器でも十分です。

 

自然にやさしい埋葬 Green Burial

自然にやさしい埋葬とは、従来の埋葬方法よりも環境に与える影響の少ない方法です。一般的に、遺体の防腐処理を行わず、棺に金属やハードウッドを用いず、棺保護容器を使用せず、墓標は控えめなものにするか使用しません。マサチューセッツ州には自然にやさしい埋葬について直接定めた法律はなく、基準もありませんが、現在のところ専門の墓地はなく、受け入れる墓地も限られています。このような埋葬に関心がある場合は、事前に墓地と話し合う必要があります。

 

海洋葬・水葬 Burial at Sea

海洋葬・水葬については連邦および州の水域に関する条例の下に規制されていますが、米国内の港湾から米国の船舶や航空機によって運ばれた遺骸や遺灰に関しては海に埋葬してもよいことになっています。遺骸は定められた慣例や要件に則った形で埋葬されなければなりません。


特別な許可は要りませんが、認可を受けた業者が行わなければなりません。連邦水域では、埋葬から30日以内の報告が義務づけられていますので、業者に確認しましょう。